a meeting of a midnight poet



寝息を確認する。
不規則だったそれが、やがて一定になる。
僕はまぶたを開け、ベッドから出る。
僕は一枚ずつ服を着終えて、君を振り返る。
安らかに寝ている。
君は君の幸せな人生に僕を好き勝手使ってくれればいい。
僕は、ベッドの横の淡い光りを放つ電気スタンドのスイッチを切
る。
そして部屋を出た。
ドアは静かに閉めた。

アパートの階段を下りる。
かんかんかんかんと、真夜中にしずかなリズムが生まれる。
朝はまだ遠い。
さて、行くとしよう。
暗い住宅街を抜ける。
どの家のまどにも光は無い。
人気の無い通りに、犬のほえる声が響く。
角を4つ曲がり、国道へでる。
殺風景な道路にそって街頭が白い光りを落とす。
一台の車がライトの光を撒き散らし、静かに通り過ぎていった。
僕は歩道をあるく。
真っ直ぐ歩く。姿勢は正しく歩く。
僕は考える。
昨日の事と、今日のこと、そして君の事と明日の事もすこし。
月の綺麗な夜だ。

道路が分裂しだし、僕は再び狭い通りに入る。
角を3つ曲がり、商店街に出る。
暗い、人気の無い商店街の薬局と靴屋の間に、小さな公園がある。
僕はそこへむかう。
シャッターばかりの風景に、野良猫が一匹呼吸している。
夜の空気は澄み切っていて、おいしい。
こんな月の綺麗で空気の澄み切った夜には彼らが集まっているはず
だ。

僕は公園に入る。
シーソー二つ、ブランコ四つ、滑り台一つ(ジャングルジムつき)
があるだけ。
ブランコとシーソーの間の大きな木の陰に彼らはいた。
円のように集まり座っている。
ぼくは静かに彼らに混ざりこむ。
みんなが黒いマントを羽織っている。
僕もマントとマスクをして顔を覆い隠す。
闇に隠れる。
世の中の喧騒から一歩身を引く。

ふいに誰かが詠いだす。
ぼくは言葉を聴く。
綺麗に流れる、メロディーを聴くように。



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準備中